新潮社とんぼの本「懐かしいお菓子 武井武雄の『郷土菓子図譜』を味わう」童画家の
武井武雄さんが密かに描きためていた
郷土菓子図譜が本になりました。
今はもうなくなってしまった懐かしいお菓子も含め、
全169点の全国のお菓子が描かれています。
この図譜が作られたのは昭和11年から昭和33年までの約20年間、激動の時代でした。

その中に当店の
「とこなつ」も昭和16年に記録されていました。
とこなつの中には黄色味を帯びた透明感のある白小豆の餡が入っていて、
それもとても美味しそうに描いていただいていました。
レイアウトも絶妙で美しく、お菓子への愛情を感じる素晴らしい図版です。
(著者の一人・伴田良輔さんからベスト10に選んでいただいていました。)
昭和16年というと太平洋戦争が始まる年です。
翌17年には図版は一枚も残っていないそうです。
お菓子を作ることも食べることも困難だった時代、
温かな描写とのギャップに何とも言えない気持ちになります。
武井武雄さんの絵画をご存知な方なら想像できると思いますが、
どの図版も精緻で生き生きとした描写で描かれていて楽しく、
見ていて飽きることはありません。
大変な時代に描かれたからこそ、
物の大切さから深い愛情が刻まれているのかもしれません。
大野屋の高岡木舟町本店でもご覧いただけますので
お近くの方はお立ち寄りくださいませ。
高岡木舟町本店:0766-25-0215
posted by ohno-ya at 18:00|
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